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連載 ラグビーワールドカップ奮闘記(5)

「ラグビーワールドカップ奮闘記」
〜ひたむきにひとつひとつ心をこめて〜
元ラグビー日本代表テクニカルスタッフ 村田祐造

『第1章 思考は現実化して』

 連載 第5回!
  
   ●スポーツ分析ソフト「PowerAnalysis」誕生!!

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三洋の入社試験の最終面接。

私は事前に人事担当の方に、
スポーツ分析ソフトの開発企画書を提出していた。

最終面接では、その企画書について役員の方から
質問されることになっていた。

私は、先手を打った。

面接会場に、大学の研究室から借りたパソコンと
プロジェクターを持ち込んだのだ。

当時は、まだモバイルなタイプのスマートな
プロジェクターなんかなかった時だ。

がっつり肩に大きなケースをかかえて、
大汗をかきながら会社のエレベータを昇った。

面接を受けに来た他の受験者に
「それ何ですか、今日は面接だけですよね」と聞かれた。

「ああ。そうです。ちょっとアピールしたいことがあって」

面接会場では、最終面接にふさわしく、
ビシッとスーツとポマードで決めた
採用担当トップの役員さんが私を迎えてくれた。

どこから見ても「できる」オーラを発している方だった。

「こんにちは。村田祐造です! 
あの、すみません。面接していただきながら、
私のやりたい仕事についてプレゼンさせてもらった方が
きっと伝わると思ったので、
今日はプロジェクターを持ってきました。
コンセント借りていいですか」

この会社でどんな仕事をやりたいのか、
懸命に自分の夢と志を説明した。
たくさん冷や汗が出たが、情熱は伝えることができた。

面接官の執行役員の方は、始めは面食らいながらも
楽しそうに私のプレゼンを聞いてくれて、
最後にはいくつか突っ込んだ質問をしてくれた。


合格の通知はやってきた。
苦労はいろいろあったが、思考はしだいに現実化していった。

希望通り、大学院で研究を始め、三洋電機でラグビー選手になった。
厳しい練習の傍ら、業務では分析ソフトの研究を続けた。

有難いことにいろいろな方の応援やサポートを受けて、
導かれるように完成したのが、
スポーツ分析ソフト「PowerAnalysis」だ。

スポーツ映像分析ソフト「PowerAnalysis」は、
統計データ作成と映像のデータベース化を同時に行ってしまうソフトだ。

統計データを見ながら、そのデータの根拠になっている映像が見たいと思ったら、
すぐにその映像が呼び出せる。

ラインアウト、スクラム、キックオフ、タック
次々に欲しいシーンを呼び出すことができる機能を持っている。

「PowerAnalysis」は、私が東大ラグビー部で
分析委員をやっていたときに感じた、
面倒くさい映像編集の仕事やジレンマを解消するため、
コツコツと開発した分析ツールである。

(当初はラグビー専用のものであったが、現在はどのようなスポーツにも対応している。)

三洋電機ラグビー部でテスト導入して、
選手の個人データを集計できるプロトタイプが完成した。

三洋電機の飯島コーチの紹介で、
ラグビー日本代表監督の向井監督にお時間を頂いた。

私は喜び勇んでプレゼンしたが、結果は、
「面白いけど不十分」という評価だった。

向井監督曰く、
「統計データは確かにいいんだけど、データだけじゃ弱いんだよな。
データと映像をつなげてよ。こいつがタックル何回成功、何回失敗。
はい映像はこれ、みたいな感じでさ」

その言葉に私は唸った。
「なるほど。今はまだ出来ませんが、出来る方法を考えます。持ち帰って出直します」

そう答えるのがやっとだった。

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